かるた聖地・近江神宮の知られざる歴史と熱狂する聖地巡礼の裏側
静寂と激動。この対比が最も先鋭化するのが、毎年1月に開催される競技かるたの頂上決戦「名人位・クイーン位決定戦」だ。一般社団法人全日本かるた協会が主催するこの戦いにおいて、近江神宮の敷地内にある「近江勧学会」は、すべての競技者にとっての甲子園であり、究極の聖地である。
「バシッ!」
張り詰めた静寂を切り裂く、乾いた畳の打撃音。わずかコンマ数秒の刹那に全神経を集中させ、札を払う選手たちの指先には鬼気迫るものがある。小倉百人一首という伝統文学を肉体と頭脳の極限勝負へと昇華させた競技かるた・歴史文化の粋が、ここにある。夏には全国高等学校かるた選手権大会が開催され、全国から集結した高校生たちの歓喜と涙がこの杜に刻まれる。