富山県立中央病院が挑む救急医療改革の全貌と初診予約の新常識
医療の質を極限まで高める一方で、公立病院としての持続可能性を担保する経営基盤の強化も急務となっている。厚生労働省が全国の自治体病院に求めた公立病院経営強化プランに基づき、富山県立中央病院でも病床利用率の適正化や高額医療機器の共同利用、コスト構造の徹底的な見直しが進む。自治体病院特有の赤字体質から脱却し、安定した再投資を生み出す筋肉質な体質への転換だ。
この経営強化の鍵を握るのが、デジタル技術を駆使した遠隔医療推進プラットフォームの構築である。県内各地の過疎地診療所や中小病院と高速ネットワークで結び、CTやMRIの画像データを中央病院の専門医が遠隔読影するシステムが稼働している。専門医不足に悩む地方の医師を後方から強力に支援する仕組みだ。
重症化リスクの高い在宅療養患者に対するオンライン診療支援や、退院後の経過観察を地域のかかりつけ医と共有するクラウドシステムの試験運用も始まっている。ハードウェアとしての病院完結型医療から、地域全体をひとつの病棟と捉えるネットワーク型医療へのシフトが着実に現実のものとなりつつある。