封印された極秘調書と新証言:独自取材で迫る未解決失踪の真相
失踪事案の解明は、警察組織にとっても極めて難易度が高い。殺人事件のように遺体が発見されれば即座に殺人捜査本部が立ち上がるが、事件性を立証する客観的証拠が乏しい初期段階では、初動捜査の展開に法的な制約がつきまとう。警察庁の統計を見ても、日本国内で受理される行方不明者届は年間8万件前後に達する。その多くは無事に発見・解決に至るものの、一定数存在する「足取りが完全に途絶えた事案」は、捜査幹部やベテラン刑事たちの頭を悩ませ続けてきた。
殺人や凶悪犯罪の追跡を担う警視庁捜査第一課であっても、物的証拠が極端に乏しい事案の突破口を見出すのは容易ではない。いわゆるコールド・ケース(長期未解決事件)化する背景には、防犯カメラの死角、通信ログの保存期間切れ、そして関係者の記憶の風化といった幾重もの障壁が存在する。それでも特命捜査部門は、保管された微物や遺留品のDNA型再鑑定を地道に続け、時効が撤廃された重大事件の真相解明に執念を燃やしている。