東京駅直結の知の迷宮、なぜ東大秘蔵の学術標本は完全無料なのか
この特異な施設が生まれた背景には、東京大学総合研究博物館と日本郵便株式会社がタッグを組んだ産学協働プロジェクトの存在がある。旧東京中央郵便局舎の歴史的建造物を再生した商業施設「KITTE丸の内」の2階・3階に位置し、大学が明治期から蓄積してきた膨大な学術標本コレクションを広く一般に還元する目的で設立された。
商業施設の核となるフロアにありながら入場無料を貫く理由は明快だ。知を閉ざされた象牙の塔から解き放ち、ビジネスパーソンや旅行者が日常の中で偶然学問と出会う「偶発的な発見の場」を創出すること。これこそが両者が共有した理念であり、文化的な社会貢献としての確固たる意思表示でもある。