東海村Jco臨界事故の闇と真実 青い閃光が暴いた安全神話の崩壊
バケツでウランを扱う。その異様な光景は、ハイテク産業のイメージとは対極にある泥臭く危険な実態を物語っていた。作業を行っていた作業員たちは、臨界という物理現象の本当の恐怖を十分に教育されていなかった。科学の最先端にあるはずの核燃料加工施設が、現場レベルでは町工場の無許可作業のような杜撰さに委ねられていた。
作業を担当していた大内久氏と篠原理人氏は、規定量の数倍にあたるウラン溶液を漏斗経由で沈殿槽に流し込んでいた。7杯目を注ぎ入れたその瞬間、青い光が視界を灼いた。ガンマ線警報器が甲高く鳴り響き、目に見えない死の放射線が作業員の身体を貫いた。逃げる間もなかった。臨界反応はその後、冷却水が抜かれるまで約20時間にわたって継続し、近隣住民30万人以上に屋内退避や避難要請が出される前代未聞の事態へと発展した。