体温計を高くする裏ワザのカラクリと絶対やってはいけないNg行為
日本の医療機器製造業界は、半世紀以上にわたり「いかに正確でブレのない体温を測定するか」という命題に挑み続けてきた。かつて家庭用体温計の普及と精度向上に人生を捧げた立石一真(オムロンヘルスケア創業者の精神は、現代の測定テクノロジーの至る所に息づいている。また、体温計市場を牽引するテルモ株式会社をはじめとする国内メーカーも、微細な体温変化を逃さないセンサー技術を研鑽し続けてきた。
医療現場において、体温測定は患者の生命反応(バイタルサイン)を把握する第一歩である。技術者たちが血のにじむような試行錯誤の末に作り上げた高精度センサーを、一時的な自己都合のために故意に誤作動させる行為は、機器の精度に対する信頼を損なうだけでなく、道具への冒涜とも言える。私たちが手にする一握りの小さな体温計には、日本のモノづくりが誇る精密技術の歴史が凝縮されているのだ。