初代ウルトラマン古谷敏が明かす撮影秘話!アマギ隊員と魂の軌跡
SF・特撮ヒーローという概念そのものが未成熟だった時代、スーツアクターという言葉すら存在しなかった。特注のウェットスーツを改造した初代ウルトラマンの着ぐるみは、通気孔がほとんどなく、一度入れば自らの呼気と汗で内部は地獄の蒸し風呂と化した。視界はマスクのわずかな穴から覗く足元のみ。スタジオの強烈なライトが容赦なく体力を奪っていく。
最も過酷だったのは、プールでの水中撮影や泥まみれのアクションだった。マスク内に水が浸入し、本当に溺れかけたことも一度や二度ではない。それでも撮影が始まれば、背筋を伸ばし、威厳に満ちた巨人の動きを貫いた。苦痛の表情をマスクの下に押し殺し、ただひたすらに「誰も見たことのない神のようなヒーロー」を作り出す。そのストイックな献身が、今なお色褪せない伝説の造形美を生み出したのである。