チーズの消費期限切れはいつまで?カビの危険サインとプロの保存術
「チーズにカビが生えたら、その部分を取り除けば食べられる」という噂を耳にしたことがあるかもしれない。しかし、日本チーズ協会をはじめとする専門機関は、家庭での自己判断に強い注意を呼びかけている。
ブルーチーズや白カビチーズのように、意図的に食用カビ(ペン・シリウム属など)を付着させて熟成させる種類は問題ない。これらは19世紀に近代細菌学の祖ルイ・パスツールが解き明かした殺菌・発酵技術の歴史的知見に基づき、徹底した衛生管理下で安全な菌株だけを用いて製造されているからだ。
問題なのは、保管中に後から生えた「意図しない空気中のカビ」である。緑色、黒色、あるいはピンク色の斑点状のカビが表面に現れた場合、目に見える胞子の下には透明な「カビ毒(マイコトキシン)」の菌糸が網の目のようにチーズ内部へ伸びている。ブロック状の硬質ハードチーズであれば、カビの発生部位から深さ1〜2センチ以上を大きく切り落とすことで救済できる場合もあるが、スライスチーズやプロセスチーズ、粉チーズにカビが生えた場合は、全体に菌糸が回っているため即座に廃棄しなければならない。