成田屋・高麗屋・音羽屋の血脈!複雑怪奇な梨園家系図の真実
現代の歌舞伎界で圧倒的な存在感を放つ松本幸四郎の高麗屋と、尾上菊之助を擁する音羽屋。この両家の関係性を知ることは、現代歌舞伎のキャスティングの妙を理解する最短ルートだ。
音羽屋のプリンスである菊之助は、名優・中村吉右衛門の娘と結婚した。吉右衛門自身が高麗屋(松本白鸚の家系)から播磨屋へと養子に入った経緯を持つため、この婚姻によって音羽屋、高麗屋、播磨屋という三大潮流の血が一つに結ばれたことになる。この関係が生み出した次世代の役者たちは、立役(男役)と女方の最高峰のDNAを同時に受け継ぐという奇跡的な環境に身を置く。
楽屋口で交わされる挨拶ひとつにも、親族としての情愛と、舞台上でのライバルとしての火花が散る。血がつながっているからこそ負けられない。血縁がもたらす激しい切磋琢磨が、古典劇に生々しい躍動感を与え続けている。