潮風が語る陸奥一宮、塩釜神社の隠れた名所と穴場時間帯の歩き方
広大な境内を効率よく、かつ礼儀正しく巡るには、正面の「表坂」から踏み出すのが鉄則だ。202段もの急な石段が立ちはだかる。息を切らしながら一歩一歩上る過程そのものが、日常の雑念を払い心を清める修行のようになっていく。
石段を上りきり、楼門を潜ったら、まず向かうべきは右手に位置する「別宮」である。ここを最初にお参りするのが、塩釜神社における昔からの正しい参拝ルートだ。別宮に祀られた鹽土老翁神は、潮流を司ることから「安産」や「延命長寿」、そして海を行く者の安全を守る「海上安全」の守護神として格別の信仰を集めている。無事な出産を願う妊婦や、漁業・海運に携わる人々が全国から参拝に訪れる理由はここにある。
別宮への挨拶を終えた後、正面の左右宮(本宮)へとお参りを進める。この順番を守ることで、神々への礼節が整い、授かるご利益の重みがぐっと増すと伝えられている。丁寧な二礼二拍手一礼の作法を意識し、静かに祈りを捧げたい。