茶の湯の革新、京都と東京で沸騰する抹茶カフェの深層を独自取材
現代の空間デザインにおいて際立つのは、過剰な装飾を削ぎ落としたミニマリズムだ。土壁と古材、あるいは荒削りのステンレスで構成されたカウンターは、十六世紀に千利休が完成させた茶室の思想と直接響き合っている。外界の喧騒を遮断し、目の前の一杯に意識を集中させる構造は、現代の都市生活者が渇望するマインドフルネスの場としても機能している。
甘さで誤魔化す時代は終わった。現代の作り手たちは、砂糖の量を極限まで減らし、茶葉本来が持つ海苔のような覆い香、心地よい収斂味、そして喉の奥に残る甘い余韻をストイックに引き出す。一期一会の精神は、モダンなカウンターを挟んだバリスタと客の静かな対話の中に、確かに息づいている。