時代を撃ち抜いた視線の記憶:没後2年、なぜ今『篠山 紀信 写真 集』が世界最高峰のアートマーケットで異例の再評価を呼んでいるのか
2026年に入り、欧米のオークションハウスや国際的なアートブックフェアで最も注目を集めているのが、篠山が1960年代から70年代にかけて発表した極初期の作品集や、限られた部数しか刷られなかったプライベートな写真集だ。
サザビーズやクリスティーズの現代写真部門では、1970年の『28人の女たち』や、新建築社と組んだ建築写真集『意味のある家』、さらには坂東玉三郎を捉えた一連の特大サイズ写真集が、初版完品であれば数十万円から数百万円という高値で取引されている。欧米のアートディーラーは「Shinoyamaの写真は、日本特有の『時代の熱狂』と『透徹した美学』が同居した稀有なドキュメントである」と評価を寄せる。