リチウムイオン電池が膨らむ原因は?発火リスクと正しい処分・対処法
インターネット上の掲示板やSNSでは、膨らんだバッテリーに対して「針やカッターで小さな穴を開けてガス抜きをすれば平らになる」「冷蔵庫で冷やせば元に戻る」といった無責任な情報が見受けられます。しかし、リチウムイオン電池の膨張を自力で戻す方法は絶対に存在しません。
膨張した電池のパックに針を刺す行為は、自ら起爆装置を作動させるようなものです。内部に充満しているガスは可燃性であり、穴を開けた瞬間に空気中の酸素や水分がセル内部のリチウム化合物と激しく反応します。瞬時に火花が散り、白煙とともに激しい炎が吹き上がって重度の火傷や火災事故につながるため、ガス抜き作業は絶対に厳禁です。
また、「冷却すればガスが収縮する」という発想も極めて危険です。冷蔵庫や冷凍庫に入れると、取り出した際の急激な温度差によってバッテリー内部に結露が発生します。この水分が基板や回路をショートさせ、取り返しのつかない発熱事故を誘発します。物理的に変形したセルはすでに化学構造が破壊されているため、修理や復元を試みるのではなく「安全に隔離して廃棄・交換する」ことだけが唯一の正解です。