「窯垣の小径資料館」が明かす瀬戸焼の深淵!迷宮に眠る職人の誇り
「窯垣(かみがき)」と呼ばれるこの特殊な垣根は、全国でもここにしか存在しない。焼き物を焼く際に窯の中で使われた耐火道具、すなわち「エンドウ」や「ツク」、「タナ板」などの廃材を整然と積み上げて作られた擁壁や垣根だ。役目を終えた道具に再び命を吹き込む循環の美学。文化庁の「日本遺産」ストーリーを構成する重要拠点としての名に恥じない迫力がある。
かつて坂道の多いこの一帯では、登り窯へ原料や燃料を運ぶため、幾筋もの細い路地が網の目のように張り巡らされていた。日差しが傾くと、歪な陶片たちが複雑な影を落とし、まるで影絵のような幻想的な景色を作り出す。使い捨ての時代に対する力強いアンチテーゼとも言える景観が、ここにはある。