ベイカー ストリートの謎と真相!名探偵の聖地とコナン映画の裏側
熱狂的なファンなら誰もが知る探偵の住処「ベイカー街221B」。しかし、アーサー・コナン・ドイルが1887年に『緋色の研究』を発表した当時、この番地はロンドンの地図上に存在していなかった。当時の通りは短く、番号は100番前後までしか割り振られていなかったのだ。ドイルは実在の家主に迷惑がかからないよう、意図的に架空の大きな数字を選んだとされている。
だが、都市の発展が奇妙な運命を引き寄せる。1930年代の区画整理によって通りが北へと延伸された際、かつての架空の番地に巨大な金融機関「アビー・ナショナル」のビルが建設された。そこから始まったのが、世界中から届く「シャーロック・ホームズ様」宛ての手紙を巡る伝説だ。同社は専門の秘書を雇い、「ホームズ氏は現在サセックスで養蜂に専念しております」という粋な返信を送り続けた。
現在、その郵便物の宛先論争に終止符を打ち、公式に「221B」を名乗ることを認められているのがシャーロック・ホームズ博物館だ。実際の所在地は239番地付近でありながら、ロンドン市特別区の特例措置として歴史的なプレートを掲げる同館。虚構が現実の都市計画を動かした希有な真相は、今も訪れる者を驚かせている。