阪妻の血脈継ぐ田村三兄弟の真実!名作配信で過熱する再評価の波
長男・田村高廣の演技は、骨太で重厚だった。木下惠介監督の不朽の名作『二十四の瞳』や『女の園』でスクリーンデビューを果たすと、知的で哀愁を帯びた佇まいで頭角を現す。やがて松竹株式会社の枠を飛び越え、東映株式会社をはじめとする各社の時代劇や現代劇で、日本映画界になくてはならない名バイプレイヤーへと成長していった。
彼が真の怪物性を見せつけたのが、小栗康平監督の映画『泥の河』(1981年)だ。川べりの食堂を営む父親役で見せた、寡黙ながらも底知れぬ哀歓と人間味を宿した演技は、国内外で絶賛を浴びた。弟たちに対しては父親代わりとして厳しく接しつつも、役者としては一切の口出しをしなかった。自らの背中で「本物の役者とは何か」を語り続けた孤高の巨星だった。