半額シールの出現時間は変わった?Ai値引きの裏側と惣菜獲得術
スーパーの惣菜売り場を長年支配してきた「夜8時の値引きラッシュ」という不文律は、過去の遺物になりつつある。現在、多くの売り場で導入が進んでいるのは、客足や在庫数、当日の天候、気温、さらには近隣のイベント情報までをリアルタイムで解析するシステムだ。
かつては店長や売場主任の勘と経験に頼っていた「見切り」の判断を、数理モデルが肩代わりしている。雨が降り始めれば来店客数の減少を予測して早い時間帯から割引率を引き上げ、逆に晴天で客足が好調なら閉店間際まで定価を維持する。値引きのタイミングは固定された「時間」ではなく、売れ行きの「スピード」に応じて刻一刻と変動するマイクロウェーブ型へと進化した。
結果として、半額シールが貼られる時間帯は店舗ごとに、さらには日ごとに細かく分散している。午後6時台に突然値引きが始まる日もあれば、夜9時を過ぎてもほとんど値が下がらない日もある。消費者が肌で感じている「いつ行けばいいのか分からない」という感覚は、まさにこのアルゴリズムによる緻密な在庫調整の直接的な結果なのだ。